CS関連書籍の独断書評?

書評は、評価を本の題名等の後に星のマーク(☆)で、0〜5ケで表します。


書評第1号は (2015.12.22)
「勝つまでやめない!」 勝利の方程式 (著:安藤 宏基)中公文庫(H27.6.25) 評価:☆☆☆☆
です。

まず最初に。
大変、手頃な価格(540円+消費税)の良書です。
このような内容を、このような安価で出版して良いの???というのが読後の最初の感想でした。

購入動機は、「勝つまでやめない!」というタイトルから、発明王・エジソンの名言

「私たちの最大の弱点は諦めることにある。
成功するのに最も確実な方法は、常にもう一回だけ試してみることだ。」

のような内容の本だと思ったことでした。
要するに間違って購入したということ。

読み始めてスグに間違いには気づきましたが、面白くて(安藤さん、失礼!)、ドンドン読み進めました。
まして、コンサルタント視点で読むと、今後の役に立つこと間違いナシ!
本当にお得な、出会いの1冊でした。

著者は日清食品HDのCEOで、ご自分の考えを本にされたとのこと。
CSの本ではなく、マーケティングの本です。
しかし、本の端々にCSの概念が表現されています。ご本人にはご不満かもしれませんが、CS関連書籍として掲載しました。
端的にCSを感じる箇所を紹介しておくと、
@84ページからの「カップヌードルごはん」の大ヒット裏話
A134ページの図25「日清食品グループのグローバル・フォーメーション」
です。CS本のどこかで聞いたような内容が強く出ています。

書評で一番言わねばならない点は、食の安全に対する執念のような部分です。
是非、145ページからの「安全性の追求に妥協はない。科学の進歩をいち早く察知して対策を打つ」項を読んでください。
ただ、1点、惜しいと思う部分は、次の項で「許容1日摂取量」を知って欲しいと訴えている部分です。
知って欲しい=信用しても良いでしょう、という提案だが、消費者には、これがなかなか信用して貰えない。
企業=嘘つき、政府=もっと嘘つき、と思われている点を考えて、別の訴えが必要だと感じました。



書評第2号 (2015.12.29)
「ディズニー7つの法則 ― 奇跡の成功を生み出した「感動」の企業理念」
(著:トム・コネラン, 訳:仁平 和夫)日経BP社(1997) 評価:☆☆☆☆

CSを学びだすと必ず紹介される本の1つ。
物語風で一気に読めるのが特徴の肩肘張らない学習本です。時々、読み返したりしています。
価格も手頃で、最近、ハードカバーから変更され、持ち運びも便利になったと思います。
内容は非常に良い。TDLのキャスト経験者でも大体本のとおりと言っていたので、嘘はないようです。
私は仕事用のRefillに7つの法則を書き写して、時折読み返しています。とっても役立ちます。
また、CSの勉強を始めたばかりの人に、時々、この本をプレゼントしたりしています。そして、必ず好評です。
ここまで褒めて書いておいて星が4つなのは、物語風で嘘っぽいところを減点しています。



書評第3号 (2016.1.8)
「1行バカ売れ」
(著:川上 徹也)角川新書(2015.8.10) 評価:☆☆☆

著者の考えでは、CSの本ではなく、マーケティングの本です。
しかし、CSでもよく話題にされる事例が掲載されているため紹介しました。
著者も指摘していますが、私達は何を顧客(お客様ではない)に売っているのか?
物やサービスを売っているのではありません。顧客の求める『価値』を売っているのです。
マーケティングでもCSでも、自分たちが提供できる価値、これが大切なのだと判る本です。
少し例を挙げておきます。この本の64ページ、93ページ、138ページに、CS上の重要事項が書かれています。
この本のおもしろい点を付け加えておきます。
角川新書は表紙が白地で本のタイトルが書かれているだけのシンプルなデザインが特徴です。
しかし、この本は、オリジナルのカラーカバーがもう1つ掛けられているという手の込んだ本になっています。

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