CS関連書籍の独断書評?4

書評は、評価を本の題名等の後に星のマーク(☆)で、0〜5ケで表します。


書評第10号は (2016.8.25)
「ザ・お客様相談室 売上貢献高120億円!」
(著:岸 正則)文芸社(2010.10.1) 評価:☆☆☆☆
です。

本書はCSを達成するための1手法であるコールセンターについて、目からウロコの話が多く、書評しました。
私も、筆者と同じく、所謂、コールセンターの仕事に従事していたことがあるので、気持ちが大変よく判ります。
”うんうん”、”なるほど”と思いながら、さっさと読んでいけました。
では、何故、星4つなのか。
それは星5つになる対象者が少ないと思うから。
経営者やコールセンターの所長なら、きっと星5つ。いや、それ以上かもしれない。でも、マネージャーだったら、 もっと細かい事が知りたくなってくる。
でも、会社でなく、個人商店でも、電話くらいはあるでしょう。顧客から電話が掛かってくるでしょう。
その時、電話は仕方がない経費(必要経費)としか認識していないと思いますが、本書のように銭を産み出す元、 というように思い直すことが大切だと思います。


書評第11号 (2016.9.30)
「元・宝塚総支配人が語る「タカラヅカ」の経営戦略」
(著:森下信雄)角川ONEテーマ21(2015.1.10) 評価:☆☆☆☆

なぜこの本?と、きっと、思われたことでしょう。
CSとは無関係のハズでは?とか、ニッチ・マーケティングの紹介本だと思われるのが普通だと思っています。
しかし、「タカラヅカ」略して「ヅカ」は、エンターテインメント界のCSの権現なのです。

星が4つと高得点ですが、減点☆−1した理由は、AKBとヅカを比較している点です。
AKBなどにCSがないとは言いませんが、100年も続くヅカとほんの少々の年月しか経ていないAKB群とは、 CSを語るうえで同等ではありません。

ヅカのCSの特徴は、親子でのファンが結構いることでしょう。というと、地域性の強いプロ野球球団に似たところがある、と、 勘違いされそうですが、ヅカの場合、地域性とは無関係で、ある考え、ある嗜好を持った人達に愛されている、 というのが事実だと思います。
CSを実現するうえで、「特定の考え、特定の嗜好を持った人達に愛されること」が重要です。
自分達の会社がどのような価値を提供できるのか、これを表現する上で、顧客を限定しなければいけませんが、この時、 十分に意識しなければならないのが、自社の特徴を示す「特定の考え、特定の嗜好」なのです。
そして、次に、自社の特徴を実践する社員(ヅカの場合は宝塚音楽学校の生徒から始まる団員)を育成するかが、 CSの決め手になるのです。
男性には興味を引かない分野ではありますが、本書は、CSの基本の話が良く判ります。とても良いCS本だと思います。



書評第12号 (2016.11.20)
「サービスの底力!―「顧客満足度日本一」ホンダクリオ新神奈川が実践していること」
(著:相澤 賢二)PHP研究所(2005) 評価:☆☆☆☆☆

よくある顧客満足に関する本と随分違いがありました。
著者は04年度日本経営品質賞を受賞されたホンダクリオ新神奈川の社長さんで、社長さんの信念が紹介された本。
こう書くと普通の顧客満足の本と変わりがなさそうですが、意外と違いがあるのです。
本のカバーに書かれた一言で違いが判るでしょう。
「お客様は神様です」なんて考えていては真の顧客満足は達成できない、というような感じで、著者は訴えています。

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