CS関連書籍の独断書評?5

書評は、評価を本の題名等の後に星のマーク(☆)で、0〜5ケで表します。


書評第13号は (2017.1.29)
「加賀屋の流儀 極上のおもてなしとは」
(著:細井 勝)PHP研究所(2006) 評価:☆☆☆
です。

CSの研究には、「加賀屋の流儀」は、相応しい本だと感じました。
しかし、古い本なので、今では入手しずらいのかもしれません。
加賀屋って、泊まったことはないけれど、有名なのは知っていた。本を読んでの感想は、旅館のディズニーランド、です。
でも、ディズニーランドほど、庶民的ではないかもしれませんね。

加賀屋さんの場合、顧客ターゲットが決まっていて、顧客に満足を、感動を与えるための仕組みがしっかりできていると感じました。 また、CSの基礎となるESもしっかりされていると感じました。

顧客ターゲットをしっかりと決めて、その顧客のために徹底して尽くす、というCSの基本がよく実践できているようです。
他社でこれができないのは、多様な顧客を獲得したいと考え過ぎるからではないでしょうか?

本当なら、星5つ、で、当たり前なのでしょうが、話が美しすぎて、星3つ。


書評第14号 (2017.6.18)
「FREE(フリー)<無料>からお金を生み出す新戦略」
(著:クリス・アンダーソン、監修:小林弘人、訳:高橋則明)NHK出版(2016.4.25) 評価:☆☆☆

なぜこの本?と、きっと、思われたことでしょう。
CSとは無関係のハズでは?とか、経営戦略の紹介本だと思われるのが普通だと思っています。
ところが、読んで見ると、意外にも「無料」とCSは密接な関係があるのです。

その割に星が3つと得点が伸びていませんが、減点☆−2の理由は、外人さんの書く本って、無駄に長い点です。
本は分厚いし、文章もダラダラ、間延びしていて、訳者も大変でしょうが、もっと短くしてよ!と言いたくなります。 この点が、大幅減点の理由です。また、この本が単行本を文庫本にしたもので、情報が古い点も加味した点です。

最近は何でも「無料」が流行りになっていて、それで成功している企業もあれば、失敗している企業もあります。 「無料」であれば、必ず成功する訳ではありません。この差は何からでてくるのでしょうか?
このコラムで常に発信し続けていることは、
CSを実現するうえで、「特定の考え、特定の嗜好を持った人達に愛され続けること」が重要
だということです。
「無料」を生かすことも、CSと同じで、自分の会社が提供できる価値を理解する顧客にだけ利用されれば良いと考えなければいけません。
そして、顧客以外には、「無料」という魅力で引き付け、そのなかから次の「顧客」を探し出すことにより、成長を図ります。
したがって、「無料」の企業戦略は、CSが決め手になっているのです。
本書は、なかなか読み終わりません。途中で眠くなること、請け合いです。でも、遠回りですが、CSの概念が良く判ります。男性サラリーマン向けのCS本だと思います。



書評第15号 (2017.10.15)
「見えざる顧客」
(著:カール アルブレヒト, 訳:仁科 慧)日本能率協会(1991) 評価:☆☆☆☆

CSを学びだすと必ずと言って良いほど、紹介される本の1つです。
簡潔すぎるほどの紹介です。
ユーザ(顧客)の満足を得るためには、

『会社内部のいろいろな部署での満足もちゃんと考慮すべきである』

と理解しやすく書いてあります。

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