CS関連書籍の独断書評?6
書評は、評価を本の題名等の後に星のマーク(☆)で、0〜5ケで表します。
書評第16号は (2017.11.19)
「逆境を「アイデア」に変える企画術」
〜 崖っぷちからV字回復するための40の公式 〜
(著:河西 智彦)宣伝会議(2017.9.29) 評価:☆☆☆
です。
私の所属する、とあるCS研究会にて「ひらかたパーク」のCS調査を行うことになったので、参考のために購入した本です。
CS本ではなく、広告を企画する人のための本です。しかし、話のなかにCSと通じるところがあったので紹介したいと思います。
この本の第2章では、必ず?成功する広告を企画するための意識を解いています。
結果を出すことを前提に広告を考えましょう、と説いており、広告の出すべき結果とは「何か」と読者に問いかけています。
では、広告の出すべき結果とは何でしょう?
それは「売上を伸ばすため」であると指摘しています。当たり前のことですが、この当たり前を忘れることが多い、というより、普通のことだと言われています。
では、CSでは出すべき結果とは「何」でしょう?
それは「お客様が満足されること」でしたね。
CS≠「お客様を満足させること」
CS=「お客様が満足されること」
自社がお客様に提供できる価値を明らかにし、お客様に真摯に提供し続けることにより、お客様が満足される状態がCSです。
最終目的地を見誤らないこと。これが重要という指摘がこの本の価値だと思います。
ここまで褒めて、星3つの理由は、「ひらかたパーク」がV字回復した切り札の『岡田准一くん』が宣伝に出てくれるようになった秘話が書かれていないことです。
岡田准一くんが「ひらかたパーク」のある枚方市出身で地元愛で引き受けてくれたという話だけでは、本の価値は下がります。
書評第17号 (2018.6.4)
真実の瞬間
SAS(スカンジナビア航空)のサービス戦略はなぜ成功したか
(著:ヤン・カールソン、訳:堤 猶二)ダイヤモンド社(1990) 評価:☆☆☆☆
CSを学びだすと紹介される本の1つ。
「真実の瞬間」という言葉がCSを学ぶ中で良く使われるが、その意味を正しく理解するには、
この本を読まねばならないことが、後から読んだ私には判った。
「真実の瞬間」は、顧客と会社との接触の瞬間が重要であることを意味する、と解釈されていると(私は)思う。
しかし、この本を読むと全く違うとは言わないけれど、ほとんど違う、ということが判る。
古い本であり、現時点で読むと、やはり過去の話しであるため、価値が低く思われることもあると思うが、
騙されたと思って、是非、一度、読んでみましょう。
この本を読まないと、何となく理解できるが、ポイントをちょっと外していることが多くなると思う。
評価の1点減点は、文書が私の感覚に合わなかったため。翻訳本であるためだと思います。
内容の評価なのでしょうが、読み易さも重要だと思うので。
書評第18号 (2018.6.23)
SHARE(シェア)<共有>からビジネスを生みだす新戦略
(著:レイチェル ボッツマン/ルー ロジャース,監修:小林 弘人,訳:関 美和)NHK出版(2016.4.25) 評価:☆☆☆☆
CS本ではない、普通のビジネス書(経営戦略)です。しかし、意外とCSのことにも触れているので紹介します。
airbnbの設立動機などが冗長に解説されている典型的な外書です。なぜ、欧米人は冗長な文章を書くのが好きなんだろう、
と、常に思っていますが、本当に冗長で、もっと簡素に書けよ!と心の中で毒づいています。そんな話はどうでもよく・・・
わが国ではメルカリが特に有名ですが、スマホのフリマ・アプリが人気でもあり、物を<共有>
する新たな文化が根付いてきていると話題になってきています。そんな新たな文化を切り開いてきた人たちの物語が、
本書の内容です。
では、どこにCSが、と、思われるでしょう。
物を<共有>する文化は、企業にとり、自分の顧客が自分の他の顧客にサービスなどを提供するという行為を、
継続的に行って貰う仕組みを提供することで醸成されます。「継続的に行って貰う仕組み」を作るには、
企業の勝手な思い上がりで仕組みを作っても長続きしません。サービスを提供したいと思う顧客の要望と、
サービスの提供を受ける別の顧客の要望をバランスよく両立させる必要があり、このバランスよく両立させるための
秘訣がCSそのものとなるのです。
異なる顧客の要望をまとめあげ、どちらの側からも満足を得るためには、何をすべきか、
ヒントになる項目が多く書かれています。
あとは、自社に取り入れるべき項目を選択するだけです。是非、ご一読を!
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