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ねんきん特別便におけるCS
(2008.11.24)



我が家には、合計3通、「ねんきん特別便」が到着した。
この「ねんきん特別便」、約半数が返信されていないという新聞記事を目にした。なんとなく、 この理由が判ったような気がしたので、コラムとしてまとめてみた。

「ねんきん特別便」を開封すると、まず、大臣の大きな署名が目に入る。「ねんきん特別便」の案内書兼解説書だ。
そんな事は、さておくとして、文字の大きさが目に付く、民間企業の出す契約書などと比べて、大変”大きな字”、 重要部分には、赤色の字でなく、黒色の字だが”太線と下線”という高齢者にも配慮したものである。
(つい最近、会社で介助士の資格取得の講座を受けたので、その受け売りですが)
CSの観点で、結構、イケテルかな、と思ったが、後で、問題が発見される。

さて、我が家の3通は、2通(妻の分と学生の息子の分)が直接、1通(私の分)が会社経由で、到着した。
一番最初に、妻の分が9月上旬に到着。続いて、私の分が10月頭に到着。最後に息子の分が10月下旬に到着。
妻の分は、開けてびっくり、加入記録が漏れている。実に簡単、結婚前の旧姓時代の記録が記載されていない。 私達の結婚は昭和61年。
もはや電算機時代になっている。
結婚だって、ちゃんと届けている。妻は、結婚前の年金手帳を持っているし、結婚後の2つ目の年金手帳も持っている。 この2冊目の年金手帳を貰った時には、結婚&退職したので、1冊目の年金手帳を持参し、役所に届け出たそうだが、 この時、2冊目を渡されたそうだ。ところで、何で、こんなに簡単に記録漏れするの???という感想を持った。

CSの観点に戻ろう。
私の「ねんきん特別便」が到着し、会社より、10月末までに回答書を返信封筒に入れ、会社に提出しなさい、 ということだったので、帰宅後、妻に、回答書を返信したかを尋ねた。
「まだ、出してへん。」という答え。「何で?」と聞き返すと、「〆切書いてないもん。いつでもええねん。」という、 呑気な返事。そこで、もう一度、案内書を読むと、確かに、「〆切」がない。

次に、息子の「ねんきん特別便」を、3人で見た。私と妻は興味本位だ。
内容は、平成18年12月1日に加入。
加入月数21ケ月。加入記録20ケ月。1ケ月の差は何?
加入記録をよく読むと、作成年月日が記載されている。
平成20年9月1X日となっている。
そうすると、加入月数は、平成18年12月1日から平成20年8月末までと仮定すると、”21ケ月”で合致する。
加入記録の20ケ月は、というと、国民年金の支払い月数のことだと判明。確か、国民年金の払込用紙には、8月分の場合、 9月末までの〆切が記載されている。そうすると、8月末時点では、払込が完了していないため、 記録に1ケ月のズレが生じるのであろう。
この点は、解説書をよく読んだが、今一つ、スッキリしない。
「今回のお知らせでは、「作成年月日」時点での加入期間をお知らせしています。」との解説だが、9月1X日作成、 といった場合、加入期間には9月分を含めるのかが判りにくい。
加入記録(払込月数)のほうは、9月1X日までに払い込んだもの、ということだと思うが、 読み手が判断しなければいけない書き方には、曖昧さが残ると思った。

もう1点、気になったのが、同封されていた、年金記録の用紙と、返信用の用紙が、 本当に同一の年金記録のためのものかが判らなかったことだ。
そもそも、いろいろと間違いがあるから、「ねんきん特別便」は出された訳だ。この中には、記録をとり間違えた、 というケアレスミスが含まれている。その割には、年金記録には、基礎年金番号が記載されており、 自分の記録だという事がはっきり判るのに、返信用の用紙には、「照会番号」という、 基礎年金番号と異なる番号が記載されているだけで、自分の年金記録に反映されるのか、大変、心配になった。
年金記録の用紙にも、照会番号と思しき数値列があり、同じ数字が記載されていたので、 勝手に自分の記録用の返信用紙だと納得しているのですが・・・
おまけで、この返信用紙、複写式で、控えが手元に残るほうが良かったと思いました。恐らく、 自宅のFAXやコンビニでコピーを取ってから返信する人など、多くはいらっしゃらないでしょう。

長々と書きましたが、「ねんきん特別便」におけるCSは、まとめると、以下のとおりではないでしょうか。

(良かった点:1つ)
・重要注意事項の文字が「大きい」、「太い」、「下線付」で、しかも、黒色文字で、 ユニバーサルデザインに配慮している

(良くなかった点:3つ+1つ)
・「〆切」が設定されていない
・「作成年月日」の意味が不明確である
・返信用紙が、真に自分の年金記録と合致しているかが不明である
・返信用紙が複写式でなく、控えが手元に残せない