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CSは誰が創るもの?
(2011.2.28)



先日、ユニットバス等の製造会社N社のお客様相談センターの方の講演を聞きました。
講演テーマは長期使用製品安全点検制度に関してでした。

長期使用製品安全点検制度は、昔から故障もせず、 ずっと使い続けてきた湯沸かし器や扇風機などからの重大事故が続いたことから制定されたものであることは、 皆さんの記憶にも新しいと思います。

では、制度の概要を。
1)対象製品
屋内式ガス瞬間湯沸器(都市ガス用/LPガス用)
屋内式ガスバーナー風呂釜(都市ガス用/LPガス用)
石油給湯器
石油風呂釜
密閉式(FF)石油温風暖房機
ビルトイン式電気食器洗機
浴室用電気乾燥機
以上、9品目
2)制度運用の流れ
@製品への表示・所有者票の添付(メーカー)
A保守の必要性説明(販売業者等)
B所有者票への記入・メーカーへの送付(消費者等)
C所有者情報の管理(メーカー)
D法定点検の案内通知(メーカー)・・・製造後約9年半後
E法定点検要請(消費者等)
F法定点検実施(メーカー)・・・製造後約10年後
3)その他
法定点検は有料(自動車の点検と同様)

上述のような長期使用製品安全点検制度ですが、一番肝心の運用の流れB所有者票への記入・ メーカーへの送付(消費者等)がN社の場合、30%程度しかないそうである。
2009年に始まって制度が定着していないためかもしれないが、初期登録が30%ということは、 長期間の間に所有者が変わる事も考えられるので、 D法定点検の案内通知が行われる製造後9年半までの間に、更に率が下がるものと思われます。
そうすると、点検が行えずに重大事故が発生ということも考えられます。
消費者の理解と協力があって始めてこの制度は活きてきますし、その結果としてCSも生まれてきます。
CSは企業と消費者とのコラボレーションだと再認識した次第です。

企業と消費者(と行政)の”架け橋”である消費生活アドバイザーとして、 CSには消費者側の姿勢が重要であるとの視点も忘れずに活動していこうと思いました。