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震災ボランティアツアーにおけるCS(1)
(2011.10.17)



この8月、9月に、3.11の東日本大震災ボランティアに行く機会に恵まれ、 2種類のボランティアツアーに参加することが出来ました。
これらボランティアツアーで、CSへの取り組みに触れることが出来たので、 コラムとして紹介したいと思います。

まず、1つ目に紹介するCSへの取り組みは、 お盆明けに参加した某J旅行社主催のボランティアツアーについてです。
このツアーは2泊3日(車中1泊)のバスツアーで、深夜に出発、 もう1泊も被災地から結構離れた宿に宿泊しました。
ボランティア内容は、津波を被った田圃のガレキとヘドロの撤去作業で、実作業時間は、 1日半のボランティア期間中に約6時間でした。
なお、この会社ではボランティアツアーという名称を使われていませんが、表現の簡易化のため、 ここではボランティアツアーと表現しました。

このツアーでは、大きく2つ、CS向上のための取り組みがありました。
1つは、正しく”デメリット表示”をしっかりと行うことでした。
まず、震災ボランティア参加者から寄せられる不満の多くは「もっと重労働を」 のような仕事内容や仕事量に対するものです。
これを解消するため、ボランティアツアー開始直後、バスに乗車し、出発した直後から、添乗員さんが、 今回のボランティア内容は、現地ボランティアセンターを通じて、被災者から要望されたものであり、 望まれた仕事内容であること、そして、更に、説明をしてもなおかつ、 多くの人がもっと仕事をしたいと思われるのも事実です、 と繰り返しアピールすることを怠りませんでした。
(しかし、ツアーの最後に行われるアンケートでは「仕事に不満」 というふうに書かれてしまうのですが・・・)
また、ボランティアセンターに到着してから実際の現地に行くまでや、 反対にボランティアセンターに帰ってきてから、そして現地到着から現地での作業開始まで間など、 ボランティアセンターの方の指示を貰うまでに時間がかかり、スグに活動でいないことも、 参加者から不満が多い項目です。
これについても、再三再四、少数のボランティアセンターの方が、 多数のボランティアのお世話をするために発生する待ち 時間であることを説明していました。
ボランティア参加者=お客様、であるため、本当に一生懸命、 ボランティアを理解して貰おうという意気込みを感じました。

もう1つは、参加者の体調維持のための仕組みです。
女性や(やや)高齢者の参加も多いため、頻繁に休憩を取るようにと、 添乗員さんから注意されるだけでなく、添乗員さんもボランティア活動を行いますが、 参加者の見回りをして、30〜40分毎に声を掛け、休憩を積極的に取らせるように動きます。
参加者全員で1回あたり20分程度休憩しました。
この仕組みは、添乗員さんも一緒にボランティアを頑張っていると、誰も休憩しなくなるからだそうです。 誰かが休みましょうと言わない限り、皆で頑張りすぎる傾向があり、 それではマズイということから始めたとのことでした。
この休憩しないという事象は、次に参加したツアーで体験したので良く判るような気がします。
積極的に休憩させると、特に女性からは「助かった」という声があがっていました。
やはり、立派なCSでした。

以上が第1のツアーから感じたCSで、主催旅行社が東京ということもあるのでしょう、 スマートなCSだと感じました。