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震災ボランティアツアーにおけるCS(再び) 〜 再確認!CSは企業と顧客の”共同作業” 〜 |
(2015.12.31) |
2011年〜2012年に掛けて書いたCSトピックスの番外編のようなものです。 2015年12月、とある機会を得て、久し振りに東日本大震災ボランティアツアーに参加しました。 これは某J旅行社主催のもので、この旅行社は、まだ継続して震災ボランティアツアーを行っています。 今回、参加したツアーは、省庁とのタイアップにより、これまでに見学できなかったような場所に連れて行って貰えるという事で、 大変、楽しみにして参加しました。ただ、1泊2日という旅程ですが、このタイアップがあるために、1日が平日に設定されており、 募集30名のところ、参加18名と少人数で、正直ビックリしました。 日程は、初日がボランティア、翌日が震災の被害が大きかった地域の復興状況の見学、という2つから構成されていました。 参加18名全員が、東日本大震災ボランティア経験者で、かつ、復興状況を見学する地域に来た経験もありました。 つまり、参加者は震災ボランティアツアーに慣れているという条件が付いています。 また、初日のボランティアは、牡蠣の養殖をされている方々で、この旅行社の震災ボランティアツアーを受け入れているため、 参加者の要望や不満などを良く知っているという条件があります。 2日目の地域の復興状況の見学は、省庁タイアップも見学と震災語り部さんと一緒の見学の2本立てでした。 震災語り部さんも震災ボランティアツアーに慣れておられるため、参加者の要望などは良く知っています。 一番の懸念事項は、タイアップ先の省庁が震災ボランティアツアーの扱いに慣れていないことかもしれません。 さて、前置きが長くなりましたが、本題に入ります。 牡蠣の養殖ボランティアは、最初に、漁師の方々から、牡蠣養殖作業の全体像を教わり、そして、 漁師でないボランティアの我々でも手伝える作業のやり方の説明を受け、その後一緒になって作業を進めていきました。 作業中は、約5年前の震災時の話しや、地域の話題など、会話をしながら進めていきます。 今回の作業は、1年後に出荷するため、牡蠣を小分けにしてイカダに吊るし直すという、大変、手間暇の掛かるものでした。 これは震災で壊滅状態になったことにより、他県の牡蠣に消費地での売り場を取られたため、 これを取り返すために新たに工夫していることだそうです。 それでなくても、冬は牡蠣の出荷時期であり、人手が欲しいところ、新たな工夫にも人手が必要となると、 被災地の人だけでは対処できなくなります。ボランティアは、この人手不足の解決策になり得ます。 このような説明をしっかり受けた参加者18名の満足度は非常に高いものでありました。 翌日の地域の復興状況の見学。震災語り部さんとの見学が満足度の高いものであったことは想像いただけると思いますので省略します。 省庁タイアップの見学は、震災復興道路の工事現場の見学と、防災拠点である災害対策室の見学の2つでした。 工事現場は、トンネル・橋・山を削っている場所の3ケ所を見学しました。3ケ所とも、普段、工事関係者以外は入れない場所です。 このため、入れたこと自体で満足度が高いのですが、いずれの場所でも、結構、多くの質問が出たのですが、 1つ1つに丁寧に答えていただいた事が、非常に高い満足度を産み出しました。 災害対策室の見学では、震災当時にどのように対策を行ったのかなどを、当時の画像を編集したものを使って、 詳細に説明していただきました。包み隠さず、という言葉に当てはまるような説明でした。 (当然、言えない話は山ほどあるのでしょうが)話に圧倒され、逆に質問が出ないほど衝撃的でした。 これまた、満足度は高いものでした。 この震災ボランティアツアーを通じて、CSは企業と顧客の共同作業で作られると、改めて実感した次第です。 トピックスの終わりを借りて恐縮ですが、本震災ボランティアツアーの関係者の方々、ならびに、 参加者の皆さんにお礼を申し上げます。楽しく、かつ、実り多い2日間、ありがとうございました。 |